世界各国共通する我が子への想い。
子どもにつける名前にその願いを込めますが…
ベトナムでは、ちょっと変わった習慣があるのです。
もちろん名前は、声調が美しく、家族の願いが込められ、先祖の名とかぶらずに男女が区別できるものが基本。
そして、日本同様に占いでも確認して決められるのが一般的なのですが…。
まずは、名前の呼び方の基本的なことから。
「佐藤さん」の18倍。世界で4番目に多い「グエン」さん
ベトナム人の10人の4人が「Nguyễn/グエン」さんなのです。
なぜ??
日本では約30万もある姓の種類がベトナムでは、わずか約250しかないから。
でも、グエンさんのルーツは??
「Nguyen(グエン)」という姓は、1802年から1945年までこの国を統治していた王朝にちなむこの名前なのです。
当時、王朝にあやかる人が多く、皆名前を変更したのでした。
そのため、周りはグエンさんだらけとなったことによって、ニックネームという文化が発展したのかもしれません。
お家ニックネームがあるベトナム
ベトナムの家庭ではあまり正式な名前で子供を呼びません。
代わりに家で使うニックネームをつけて呼びます。
最近流行りのニックネームとしては女の子の場合、代表的なのが以下。
- Kem ケム(アイスクリーム)
- Kẹo ケオ(キャンディー)
- Mít ミッツ(ジャックフルーツ)
- Thở トー(うさぎ)
と可愛らしいお菓子や動物、果物の名前を選んでニックネームとして流行っています。
対して、男の子に限っては、なんと日本に由来する名前が登場するのです。
- Sushi スシ(お寿司)
- Sake サケ(お酒)
- Nobita ノビタ(ドラエモンのキャラクター)
親日家ならではのベトナムネーミングだったのでした。
ツライ名前をあえてつけるワケ
両親がキラキラネームを付ける場合は多々ありますが、それとは別に、昔からのベトナムの習慣で、生後60日間は名前を付けず、その代わりにあえてツライ名前を付けるのです。
なぜ??
このツライ名前によって、悪霊や亡くなった先祖が、子どもを気に入って連れ去ることを回避できると考えられているから。
でもツライって、、どんな名前??
子どもを嫌いになって欲しい名前のため…子どもがよく使う言葉が多いと言う。
プッ(オナラの擬音)」やブー(豚の鳴き声)に始まり、うんこ、小便、デブ、ブスなどなど。
ちなみに、ツライ名前を付けっぱなしにして、親が忘れたまま名前が実名になってしまう場合もあるそうです。
辛いですね。